■ ヒントは発想の転換
お客様に会っていただくためには、何が必要でしょうか。実は、この「会っていただく」という発想自体に、落とし穴があります。それは、「自分の都合」に過ぎないからです。つまり、お客様には、営業に会う理由がないのです。
結論から言いましょう。ならば、お客様に「会いたい」と思わせればよいのです。私が考えたのは、ただその一点です。そのための方法を、いろいろな角度から検証し、実践した結果が、私の持っているノウハウです。
私は、それを私自身のビジネスで活用し、成果を上げてきました。だから、それは「絵に描いた餅」ではなく、実体験に基づいたものであると言えます。
どうですか。「会えない人に会うための方法がある」というだけで、少し気持ちが楽になりませんか?
でも、「お客様に会える」というだけで喜んでいるわけには行きません。なぜなら、誰かに会えたからといっても、それだけで商品が売れるわけではないからです。つまり、「買ってくれそうな相手」に会えなければ意味がない、ということです。単にお客様に会えるというだけでなく、「気づきやニーズを持っている人に会う」ためのものでなければ、意味がありません。
でも、そんなことができるのでしょうか?
はい、それは可能です。「あなたからモノを買いたい」とか、「あなたの商品を検討したい」と思っている人を呼び寄せることは、決して不可能なことではありません。もちろん、こちらが会いたいと思う人のすべてに会える、などという魔法があるわけではありません。実際に会うことができるのは、「会うための施策」を施した相手の一部です。でも、その「会えた人」は、多くの場合、お目にかかることができた段階で、すでに気づきかニーズを持っているのです。
なぜなら、そのような仕掛けになっているからです。逆の言い方をすれば、それは買ってくれそうな相手だけを呼び寄せる戦略、と言った方がよいかもしれません。
では、なぜそんなことができるのでしょうか?
その答えは単純です。お客様がモノを買うのは、「それを買う理由」と「そこから買う理由」があるからです。一言で言えば、それに“気づいて”いただくのです。 「なんだ、そんなこと当たり前じゃないか」などと思ってはいませんか。その当たり前のことが、あなたにはできていますか?
お客様の「買う理由」を考えずに、それを勝手に飛び越えて、自分の商品やサービスを、ただ「押し売り」しているのではありませんか?
お客様は、商品やサービスの内容を知りたいのではありません。その前に、なぜ、それが必要なのかという「理由」が必要なのです。それを理解していますか?
商品やサービスは、その前提が整った後に、「結果として」必要になるものに過ぎないのです。お客様にとって、商品の購入は目的ではありません。ただの手段です。だからその前に、その手段がなぜ必要なのか、という理由が必要なのです。
でも営業は、商品を売ることが目的です。ここに意識の乖離があるのです。自分の目的は、相手にとっての手段でしかない、このことを絶対に忘れてはいけません。
例でお話した方が分かりやすいと思います。
私の自宅の最寄り駅近くにあるキャバクラには、いつも客引きが立っています。そして、店の前を通りかかる人に、片端から声をかけています。でも、大半の人は、そこを通り過ぎるだけです。なぜなら、「そこに入る理由」がないからです。
皆、あらかじめ行くことを決めた場所(自宅だったり、居酒屋だったり、パチンコ屋だったり)に向かって歩いているのであって、「そのキャバクラ」に向かっているわけではありません。だから、そんな人に声をかけても、“成約率”は、ものすごく低いはずです。
でも、もし初めから「その店に行きたい」と思ってくれている人がいたとしたら、どうでしょう。店の前で声などかけなくても、お客様の方から勝手に来店してくれるのではありませんか。 ならば、店の前でただ闇雲に声をかけることに時間と工数をかけるより、お客様が「あの店に行きたい」と思うような工夫を考えるために、時間も工数も使った方が、よくはありませんか?
パンフレットを片手に、「勝手な自分の都合に過ぎない」商品の押し売りに行くのは、この客引きと同じです。
そして、この「相手の都合を考えない押し売り行為」には、もう一つ、重大な問題が潜んでいます。それは、「人は誰かから何かを強制されたくない」と考えている、ということを見落としていることです。だから、多くの人は、しつこい売り込み(強制)をする営業のことが大嫌いなのです。
たとえば、突然他人の自宅や勤務先に電話をかけてきて、いろいろな商品の「押し売り」をする人たちがいますが、私はその都度、いきなり電話を切るか、怒鳴るかのどちらかです。それが、不愉快きわまりない行為だからです。そんな非効率で、迷惑な営業活動をする人たちがいるということ自体が、私には信じられません。
押し売りをすればするほど、お客様は逃げるだけです。自分の求める結果から、どんどん遠ざかってしまうのです。
パンフレットを片手に「押し売り」をしている人は、そのことに気が付かなければなりません。
■「理由」があればお客様の方から買いに来てくれる
極論すれば、お客様が「それを買う理由」に気づきさえすれば、「売り込み」など必要ありません。「これがあれば便利だな」とか、「この問題を解決しなければ」という“気づき”を持ってもらうことができれば、勝手に検討してくれるからです。
そして、「あの人から買おう」とか、「あの会社が一番いいな」という「そこから買う理由」があれば、向こうから買いに来ていただけるのです。
個人営業であれ、法人営業であれ、一流の営業マンは、皆、それが分かっています。決して押し売りなどしていません。いや、外から見ていると、「営業の仕事」をしているようには見えないことさえ多いのです。
だから、新規開拓に必要なものは、根性ではありません。
門前払いの山を築き上げながら、ムダなアポ取り電話や、飛び込み営業をしているヒマなどないのです。
そんなことをしている時間があるくらいなら、お客様が「それを買う理由」と「そこから買う理由」に気づいていただくための仕掛けを作ることに、時間と工数をかけるべきです。
物事は、原因と結果の因果関係で成り立っています。もし、結果を得たいと考えるなら、その結果をもたらしてくれる「原因」を作る必要があります。ここを勘違いしてはいけません。決して、靴底をすり減らして歩き回るような、“努力”が必要なわけではないのです。
檜が必要なら、檜の苗木を植える必要があるのであって、あすなろの苗木を植えても、ある日突然、それが檜に変わることは、絶対にありません。
ここまで読んでくれた方の多くは、もう答えが見えているはずです。ぜひ、きょうから、非効率な飛び込みなどではなく、売れるための“仕掛け”を作り上げる作業に取りかかってください。それが、成功への第一歩です。
最後に、ここまで書いてきたことをもっと知りたいという方のために、私の宣伝をさせてください。
今まで私は、一部の会社の営業研修やコンサルティングなど、自分が関わったビジネスの中でだけ、このスキルを公開してきました。
しかし、今回私は、ここまで書いてきたことを、かつての私のように、門前払いの山を築き上げながら、毎日挫折しそうになっている多くの人たちのために、誰にでも読みやすいマニュアルに書き下ろしました。
もし、興味を持っていただけるのであれば、このサイトの「営業教材」のページを参照してだくさい。
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